消費税の改正 その1
平成23年度の税制改正で消費税関係法令の一部が改正されましたが、今回は、そのうちのひとつであります「事業者免税点制度の改正」のお話をさせていただきたいと思います。
従来、消費税では、基準期間(前々期又は前々年)の課税売上高が1,000万円以下である場合には、免税事業者となり、消費税の納税義務が免除となっておりました。ですから、会社設立後2年間(資本金が1,000万円以上の法人を除く。)は、基準期間がありませんから、会社設立後2年間は、自動的に免税事業者となることができました。
今回の「事業者免税点制度の改正」では、事業者免税点の判定が、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であるかどうかに加えて、特定期間(判定対象期間の前期又は前年の上半期)の課税売上高が1,000万円以下であるかどうかの判定も行うこととなりました。これにより、例えば、従来受けることのできた会社設立後2年間の免税期間の恩恵を受けるために、個人事業より法人成りをしたような方は、第1期目から上半期の売上高が1,000万円を超えてしまうことも想定され、第1期目の上半期の売上高が1,000万円超となった場合には、第2期目から消費税の納税義務者となってしまうこととなります。
免税期間の恩恵が少なくなってしまうような改正ですので、納税者の皆様にとっては、手痛い改正かもしれませんが、「課税の公平」という観点から考えると、もしかしたら当然の改正なのかも知れません。
なお、特定期間の課税売上高の判定につき、課税売上高に代えて、同期間における給与等の金額によることもできます。給与等の金額とは、所得税の課税対象とされている給与や賞与等が該当し、特定期間中において未払いとなっている給与や、所得税で非課税とされている通勤手当や旅費等は含まれせん。
この改正は、平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度から適用となりますので、一番初めに適用となるのは、個人事業者の方の平成24年1月1日~6月30日までの期間及び12月決算法人における平成24年12月期の上半期が新しい判定基準の対象となりますのでご注意ください。
以上、さいたま市大宮区の税理士でした。
▼税務・経営のご相談は 越谷市の税理士・清水将之税理士事務所 まで