所得税における障害者控除について
長い間、ブログをお休みさせて頂いておりましたが、大変恐縮ながら、少しずつでも皆様の身近な税務の話を書かせていただくべく復活致しました。できるだけ週にひとつは何かしらの税務ネタを皆様にご提供していければと思っておりますので、改めてよろしくお願い致します。
復帰後初の税務ネタは、税務通信で読みました「障害者控除と成年後見制度について」を簡単に書かせて頂こうと思います。
まず、「成年後見制度」とは、認知症や精神障害などの理由から判断能力が不十分な者の財産等を保護する為に、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等が本人に代わって財産等の管理をする制度のことを言います。従来、所得税法上、障害者控除は、「精神上障害等により事理を弁識する能力を欠く常況にある者等を扶養する者又はその本人」が適用できるとされています。民法上の成年被後見人であるかどうかは、所得税法上の障害者控除の適用を受けられるかどうかとは関係なく、成年被後見人であっても、適用対象者に該当するかどうかは個別に判断する必要がありました。
このたび、名古屋国税局の文書回答で、成年被後見人は、特別障害者控除の対象者と同一の文言である、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」と定義されているため、成年被後見人であることは、同時に特別障害者控除の対象者であることが確認されました。つまり、成年被後見人であることだけをもって、特別障害者控除の対象者に該当することとなりました。
なお、この特別障害者控除の適用を受けるためには、年末調整時に提出する扶養控除等申告書や確定申告書に適用を受ける旨の記載をする必要がありますが、確認書類等の提出は要件となっておりませんが、後日、確認書類の提出を求められた場合には、法務局が発行する成年後見人の権限等が記載された登記事項証明書を提出すれば良いと思います。
成年被後見人の方又はその方を扶養する方は、今後は個別の判断を必要とせずに特別障害者控除の適用を受けられますのでお忘れなく手続きしてください。
以上、さいたま市大宮区の税理士でした。
▼税務・経営のご相談は 越谷市の税理士・清水将之税理士事務所 まで