年末調整の判定時期について
12月に入り今年も残すところあとわずかとなりました。税理士事務所はこの時期になると、年末調整の処理に追われることとなります。皆様には資料の提出にご協力をいただいておりますが、今回は、その資料を回収をさせて頂く際に、よくご質問がでることをご紹介させていただきたいと思います。
年末調整は、早い会社様で11月初旬には用紙が配られスタートしているようですが、年末調整に関する判定は、すべてにおいて12月31日時点での現況によることを皆様はご存知でしょうか?
例えば、国民年金の保険料は、1月1日~12月31日までの間に支払った金額が社会保険料控除として対象となりますが、年末調整の資料のひとつであります保険料控除申告書を提出する際に、添付が求められる「国民年金控除証明書」は、実は24年9月末までのお支払金額が証明されており、当然ではありますがその後にお支払いされた分は証明書の金額には含まれておりません。口座振替等により、定期的にお支払いをされていらっしゃる方につきましては、納付見込額が証明書に記載されておりますが、今まで支払いが滞っていた方が今年になってから不定期に支払った場合には見込金額の記載はありません。ですから、証明書を単純に添付して保険料控除申告書を提出した場合、証明日以後から12月31日までの間にお支払いした分が漏れてしまいます。このような場合には、経理の方や税理士の方に、証明書以外にもお支払いがあることを伝えるとともに領収書等の提示をすることが必要です。
次に、例えば、寡婦控除の対象となるような女性の方が、年内に再婚をお考えの場合で考えてみたいと思います。寡婦の要件に該当するかどうかの判定は、12月31日時点での現況によりますから、もしも寡婦控除を受けられるような方が、12月31日に婚姻届を提出し入籍をされた場合には、27万円の所得控除(特別の寡婦であれば35万円)がなくなってしまうことになります。ですから、寡婦控除の要件に該当する方で、年内中に入籍を済ませたい事情がおありの方以外は、年が明けてからのご入籍をされることをお勧め致します。
このように、年末調整の作業が行われるタイミングと、所得税法上の判定時期がずれており、年末調整の作業のほうが早い為、所得控除が漏れてしまっている方も割といらっしゃることと思いますので、改めて、判定時期は12月31日ということを覚えておいてください。
ちなみに、年末調整で漏れてしまったものに関しましては、翌年に確定申告をすることで追加することができますのでご安心ください。
以上、さいたま市大宮区の税理士でした。
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